
目次
- 1 Claude Code で Fable 5 をアドバイザーに
- 1.1 user@sinyblog:~/article ❯ 01_intro.md90秒ダイジェスト(結論先出し)
- 1.2 user@sinyblog:~/article ❯ 02_why.mdなぜ CLI でアドバイザー戦略なのか
- 1.3 user@sinyblog:~/article ❯ 03_prereq.md前提とバージョン確認
- 1.4 user@sinyblog:~/article ❯ 04_enable.md有効化3通り(/advisor・設定・フラグ)
- 1.5 user@sinyblog:~/article ❯ 05_pairing.mdモデルの組み合わせルール
- 1.6 user@sinyblog:~/article ❯ 06_verify.md効いているかを確認する
- 1.7 user@sinyblog:~/article ❯ 07_when.mdいつ呼ばれる?呼ばせ方
- 1.8 user@sinyblog:~/article ❯ 08_settings.mdsettings.json 実例(user / project)
- 1.9 user@sinyblog:~/article ❯ 09_cost.mdコストとキャッシュの挙動
- 1.10 user@sinyblog:~/article ❯ 10_off.mdオフにする / 完全無効化
- 1.11 user@sinyblog:~/article ❯ 11_pitfalls.md使い分けと落とし穴チェックリスト
- 1.12 user@sinyblog:~/article ❯ 99_summary.mdまとめ
Claude Code · /advisor · 2026 Edition
Claude Code で Fable 5 をアドバイザーに
API を書かなくていい。ターミナルの Claude Code には 公式の /advisor コマンドがあり、これ1つで「メインは安い Sonnet 5、要所だけ賢い Fable 5 に相談」というアドバイザー戦略を再現できます。この記事は、プログラム実装ではなくCLI だけで再現する手順を、そのまま真似れば動く形でまとめました(所要:設定5分/理解20分)。
賢いモデルは高い——この制約は、ターミナルで Claude Code を回すときも同じです。全部を Fable 5 で走らせれば快適でも、使用量(サブスクなら制限、API課金なら請求)はすぐ膨らみます。/advisor は「実行は安いモデル、判断の分岐点だけ賢いモデル」を Claude Code の内側で自動的に切り替える公式機能です。API の advisor_20260301 と同じ server tool を裏で使いますが、あなたが触るのはスラッシュコマンド1つだけ。
-
0個
再現に要するコマンド(/advisor fable) -
0%
SWE-bench Pro スコア維持率(Sonnet 5 + Fable 5 助言) -
0%
Fable 5 単独に対する価格(=約37%オフ)
user@sinyblog:~/article ❯ 01_intro.md90秒ダイジェスト(結論先出し)
忙しい人向けに、全部を先に置きます。
- やること:Claude Code のメインモデルを Sonnet 5 にして、
/advisor fableと打つだけ。以降、Claude が要所で Fable 5 に相談する。 - 効果:アドバイザー戦略として SWE-bench Pro で Fable 5 単独スコアの約92%を、価格の約63%で達成 [3]。Fable 5 はタスクあたり約1回だけ呼ばれて舵取りする。
- 前提:Claude Code v2.1.98以降(Fable 5 をアドバイザーにするなら v2.1.170以降+Fable 5 アクセス)、Anthropic API 直のみ(Bedrock/Vertex/Foundry 非対応)。サブスク・API課金どちらも可 [1]。
- 永続化:
/advisorで選ぶとユーザー設定advisorModelに保存され、次回以降も有効。 - やめる:
/advisor off。完全に殺すなら環境変数CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1。
「1コマンドで有効化」→「効いているか確認」→「呼び出しを促す」→「設定で永続化」→「コスト・キャッシュを理解」→「使い分けと落とし穴」。ここまでを、コピペで再現できる形で通します。API を1行も書きません。
user@sinyblog:~/article ❯ 02_why.mdなぜ CLI でアドバイザー戦略なのか
Claude Code で大きめのタスク——大規模リファクタ、再発するバグのデバッグ、完了前に第三者チェックを入れたい作業——を回すと、トークンの大半は「ファイルを読む」「テストを回す」「差分を書く」という機械的な作業に消えます。本当に賢さが要るのは、着手前の方針決めと詰まったときの軌道修正、そして「完了」と宣言する前の確認という、ごく一部の分岐点だけ。
それなら機械的な部分を Fable 5 で回すのは無駄です。/advisor は、メインを速く安いモデルにしたまま、Claude が判断の分岐点でだけ強いモデルに相談します。アドバイザーは会話全文(全ツール呼び出しと結果を含む)を受け取り、助言を返し、Claude はそれを踏まえて続行します [1]。
| やり方 | 強いモデルが動くタイミング | 起動 |
|---|---|---|
/advisor |
タスク中の分岐点だけ | Claude が必要時に自分で呼ぶ |
opusplan |
プランモード中だけ→実行は Sonnet | プランモードに入る |
サブエージェント(model 指定) |
委譲したサブタスク全体 | Claude が委譲 or 明示呼び出し |
/model でメイン切替 |
以降の全ターン | 自分でモデルを切り替える |
向くのは、大半が定型で「方針の質が成否を決める」長丁場。向かないのは、計画すべきことが少ない短いタスクや、全ターンで最強モデルが要る作業——その場合はメインモデル自体を切り替えるほうが素直です [1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 03_prereq.md前提とバージョン確認
アドバイザーツールは実験的機能です。次の3つをすべて満たす必要があります [1]。
- Claude Code v2.1.98 以降。Fable 5 をアドバイザー(またはメイン)に使うなら v2.1.170 以降+組織の Fable 5 アクセス。
- Anthropic API 直のみ。Amazon Bedrock / Google Cloud / Microsoft Foundry では使えません(server tool のため)。
ANTHROPIC_BASE_URL経由の LLM ゲートウェイは、リクエストをそのまま Anthropic API に転送する構成なら可。 - 対応メインモデル:Opus 4.6 以降 / Sonnet 4.6 以降 / Haiku 4.5(v2.1.170 以降なら Fable 5 も可)。
まずバージョンを確認・更新します。
# 現在のバージョン確認
claude --version
# 最新へ更新(v2.1.98+ / Fable 5 アドバイザーは v2.1.170+ が必要)
claude updateメインは /model sonnet(セッション中)や起動時 claude --model sonnet、環境変数 ANTHROPIC_MODEL、設定ファイルの model で決まります。この記事ではメイン = Sonnet 5、アドバイザー = Fable 5 を前提にします [1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 04_enable.md有効化3通り(/advisor・設定・フラグ)
アドバイザーモデルの指定方法は3つ。用途で使い分けます [1]。
いちばん簡単:セッション中に /advisor fable
選んだモデルはユーザー設定
advisorModel に保存され、次回以降のセッションでも有効。まずこれでOK。① /advisor コマンド(セッション中・永続保存)
/advisor # 引数なし → 選択ピッカーが開く(利用可能なアドバイザー一覧)
/advisor fable # Fable 5 をアドバイザーに指定(advisorModel に保存)
/advisor opus # Opus をアドバイザーに
/advisor claude-opus-4-8 # フルモデルIDでも指定可② 設定ファイルに advisorModel(永続デフォルト)
{
"advisorModel": "fable"
}③ 起動フラグ --advisor(そのセッション限り)
# 保存設定を変えずに、このセッションだけアドバイザーを使う
claude --model sonnet --advisor fable--advisor フラグは、そのセッションでは保存済み advisorModel より優先されます。フラグ指定したアドバイザーがメインモデルと非対応、または組織の availableModels 許可リスト外だと、エラーで終了します [1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 05_pairing.mdモデルの組み合わせルール
鉄則は1つ——アドバイザーはメインと同等以上の性能でなければならない。メインモデル別に受け付けるアドバイザーは次の通りです [1]。
| メインモデル | 受け付けるアドバイザー | 備考 |
|---|---|---|
| Haiku 4.5 | Fable / Opus / Sonnet | Haiku は「呼ぶ」側専用(助言役にはなれない) |
| Sonnet 4.6 | Fable / Opus / Sonnet | |
| Sonnet 5 | Fable / Opus / Sonnet 5 | Sonnet 4.6 のアドバイザーは不可 |
| Opus 4.6 | Fable / Opus / Sonnet 5 | Sonnet 5 と Opus 4.6 は同格扱い |
| Opus 4.7 以降 | Fable / Opus 4.7 / Opus 4.8 | 4.7 と 4.8 は同格で相互に助言可 |
| Fable 5(v2.1.170+) | Fable | Fable は最上位。Opus/Sonnet の助言は不可 |
アドバイザーは opus / sonnet / fable(各最新版に解決)か、claude-opus-4-8 のようなフルIDで指定します。アドバイザーがメインより弱いと、メインのリクエストにはアドバイザーが付かず、/advisor の出力と通知でその旨が表示されます。サブエージェントは設定済みアドバイザーを継承し、各自のモデルで同じ整合チェックを受けます [1]。
Sonnet 5 メイン + Fable 5 アドバイザー:定型作業は Sonnet 5 が回し、方針・曖昧な失敗・完了確認だけ Fable 5 に上げる。Fable 5 を走らせ続けずに、要所で Fable 5 の判断を得られます(要 v2.1.170+ + Fable 5 アクセス)[1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 06_verify.md効いているかを確認する
設定しただけでは「本当に相談しているか」が見えにくいもの。Claude Code は相談中を可視化します [1]。
- Claude がアドバイザーを呼ぶと、トランスクリプトに
Advising行(アドバイザーのモデル名付き)が表示される。 - 結果が返ると、その行が「アドバイザーが会話をレビューした」ことを示す表示に変わる。
Ctrl+Oで展開すると、アドバイザーの助言全文が読める。- 現在の設定は
/advisor(引数なし)で確認できる。ペアが不成立なら、その旨が出力・通知される。
* Advising with Fable 5 ... # 相談中(呼び出しはClaudeの判断)
* Advisor reviewed the conversation # 完了。Ctrl+O で助言全文を展開Claude は基本的に助言に従いますが、自分の証拠が助言と矛盾したとき(推奨手順が実際に失敗した/ファイルの中身が助言と食い違う)は、無条件に従わず矛盾を表に出します。これは公式の設計挙動です [1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 07_when.mdいつ呼ばれる?呼ばせ方
呼び出しのタイミングはClaude が判断します。傾向としては「着手前」「エラーが再発したとき」「完了宣言の前」ですが、ルールベースではなくモデル駆動です [1]。
明示的に相談させたいときは、普通のツールと同じようにプロンプトで頼むだけ。呼び出し回数を強制・上限化する設定はありません——増やしたい/減らしたいときは指示文で伝えます [1]。
この設計を確定する前に、必ずアドバイザーに相談してから進めて。
(英語なら)consult the advisor before you continueプロジェクト共通の癖にしたいなら、CLAUDE.md に「大きな方針決定・破壊的変更の前にはアドバイザーに相談する」といった方針を書いておくと、都度言わずに済みます。
user@sinyblog:~/article ❯ 08_settings.mdsettings.json 実例(user / project)
チームや複数プロジェクトで運用するなら、設定ファイルで固定します。/advisor で選んだ値はユーザー設定(~/.claude/settings.json)に保存されますが、プロジェクト単位で共有したい場合は .claude/settings.json に置きます。
{
"model": "sonnet",
"advisorModel": "fable"
}組織の availableModels 許可リストが保存済みアドバイザーモデルを除外していると、許可されたモデルを /advisor で選び直すまでアドバイザーは呼ばれません。また、現在のメインモデルがアドバイザー非対応でも選択自体は保存され、/model で対応メインに切り替えた時点で有効化されます [1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 09_cost.mdコストとキャッシュの挙動
アドバイザー呼び出しは会話全文をアドバイザーモデルに送るため、メインの使用量に加えてアドバイザーモデルのレートでトークンを消費します [1]。
- API課金:アドバイザー分はアドバイザーモデルの入出力レートで課金。サブスク:アドバイザー利用はプランの使用上限にカウント。
- アドバイザーは毎ターンではなく分岐点だけで呼ばれるので、強いモデルを通しで走らせるより通常は安くなる。これがアドバイザー戦略の肝。
- 使用量は
/usageのセッション合計に反映される。 - プロンプトキャッシュは壊れない:
/advisorのオン/オフ切替は、/modelや effort 変更と違ってメインのキャッシュを無効化しない。アドバイザーが返した助言は以降のターンでトランスクリプトの一部としてキャッシュされる。ただしアドバイザー自身の会話読み込みはキャッシュされず、呼び出しごとに全文を処理する。
公式の計測では、SWE-bench Pro で「Sonnet 5 メイン + Fable 5 アドバイザー」が Fable 5 単独スコアの約92%を、価格の約63%で達成。Fable 5 はタスクあたり約1回だけ呼ばれて舵を取ります [3]。効果はタスク依存なので、自分のワークロードで /usage を見ながら検証を。
user@sinyblog:~/article ❯ 10_off.mdオフにする / 完全無効化
やめ方も明快です [1]。
/advisor off # 使用停止+保存済み advisorModel をクリア
# (ピッカーで「No advisor」を選んでも同じ)# /advisor コマンド自体が使えなくなり、advisorModel も無視される。
# --advisor フラグは受理されるが無効(既存スクリプトは壊れない)。
export CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1user@sinyblog:~/article ❯ 11_pitfalls.md使い分けと落とし穴チェックリスト
「第二のモデルを絡ませる」手段は複数あります。いつ強いモデルを動かしたいかで選びます [1]。
| 手段 | 強いモデルが動くのは | こんなときに |
|---|---|---|
/advisor |
タスク中の分岐点だけ | 大半は定型だが方針が肝の長丁場(今回の主役) |
opusplan |
プランモード中だけ→実行は Sonnet | 計画は強く、実装は安く |
サブエージェント(model: 指定) |
委譲サブタスク全体 | 特定の重い下請けを丸ごと別モデルに(下記) |
/model |
以降の全ターン | タスク自体の難度が上がった |
呼び出しをもっと自分で制御したいなら、.claude/agents/advisor.md のフロントマターに model: fable(フルID claude-fable-5 も可)と description(相談したい状況)を書いて専用サブエージェントを用意し、@advisor で明示的に呼ぶ手もあります。サブエージェントは新規コンテキストで動き、返るのは最終サマリのみ——タイミングを人間が握れる反面、会話全文は自動では渡りません。「Claude が要所で自動相談」なら /advisor が最短です。
本番運用前に、この一覧を上から確認してください。
| 症状 / 状況 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
/advisor が見当たらない |
バージョン不足、または CLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1 |
claude update(v2.1.98+)/環境変数を外す |
| Fable 5 が選べない | v2.1.170 未満、または組織に Fable 5 アクセスがない | 更新+アクセス確認。当面は /advisor opus で代用 |
| Bedrock / Vertex / Foundry で効かない | server tool のため非対応 | Anthropic API 直で使う |
| 設定したのに相談されない | アドバイザーがメインより弱いペア、または availableModels 許可リスト外 |
ペア表を満たすモデルへ。許可リストを確認 |
| 相談が多すぎ/少なすぎ | タイミングは Claude 判断(強制設定なし) | プロンプトや CLAUDE.md で頻度の方針を伝える |
| コストが思ったより高い | アドバイザーはアドバイザーレートで加算 | /usage で実測。頻度を抑える or アドバイザーを軽いモデルに |
| 助言が読めない | 展開していないだけ | Ctrl+O で Advising 行を展開 |
user@sinyblog:~/article ❯ 99_summary.mdまとめ
API を書かなくても、Claude Code のアドバイザー戦略はスラッシュコマンド1つで再現できました。要点は3つに集約できます。
- 有効化は
/advisor fableの1コマンド。メインを/model sonnetにしておけば、Sonnet 5 が実務を回し、Fable 5 が要所で助言する。永続化はadvisorModel、単発は--advisor。 - 前提は3つ:v2.1.98+(Fable 5 は v2.1.170+ +アクセス)/Anthropic API 直のみ/アドバイザーはメイン同等以上。効いているかは
Advising行+Ctrl+O、コストは/usageで確認。 - タイミングは Claude 判断。増減はプロンプトや
CLAUDE.mdで伝える。やめるのは/advisor off、完全に殺すならCLAUDE_CODE_DISABLE_ADVISOR_TOOL=1。プロンプトキャッシュは切替で壊れない。
いつも使う大きめのプロジェクトで /model sonnet → /advisor fable を有効にし、次のリファクタやデバッグを1本回してみてください。Advising 行が出たら Ctrl+O で助言を覗き、/usage で「Sonnet 単独」との差を比べる。効果はタスク依存——公式の数字は出発点、判断材料はあなたの実測値です。