1on1ミーティング入門におすすめの書籍~話すテーマに困ったときは?

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こんにちは。sinyです。

この記事で紹介するのはこちら♪

小倉 広、「任せるリーダーが実践している1on1の技術」です。

2019年5月21日に発売、アドラー心理学と企業経営を熟知した数少ない専門家として数多くの企業にて公演、研修を行っている著者が、1o1ミーティングの具体的な取り組み方について伝授します。

さて、皆さんに質問です。

 

1on1ミーティングの目的ってなんだと思いますか?

 

 

本書では、1on1ミーティングの目的は部下の評価をするためのものではなく、純然たる人材育成と組織開発を目的としています。

私自身、1on1ミーティングという言葉はよく耳にしたことがあったのですが、その目的については、「最終的に部下の評価をするための手法だろう」という誤った認識をしていました。

 

1on1ミーティングはあくまで部下の成長、会社の高業績を目的としたものなんですね

この書籍をおすすめしたい人

この書籍はこんな人におすすめです。

  • 1on1を始めてみたい人
  • 職場の人間関係に悩んでいる人
  • 上司と部下の関係を改善したい人
  • チームリーダ、管理職の人

 

本書の概要

本書は、著者がこれまで自社で行ってきたティータイム面談、アドラー心理学、コンサルタントとしてやってきた独自の1on1理論をベースに、1on1を導入、運用支援した企業の実績や経験について解説しています。

本作では、1o1ミーティングのことを以下のように定義しています。

1on1とは?
1 on 1 とは、上司と部下の間で週に1~月1回、30分~1時間程度、用事がなくても定期的に行う1対1の対話のこと。

 

この1on1ミーティングの重要性とその具体的な実践方法(必要な5つのスキル)について説いています。

 

各章の概要

各チャプターの概要についてまとめました。

 

チャプターは全部で6つ。

 

【第1章】1 on 1ってなんだろう?

この章では、以下のような点について紹介しています。

第1章の概要
  • 従来型の人事考課面談との違い
  • 1 on 1を実践することで期待される効果
  • 1 on 1を実践 することによる副次的な効果(6つ)
  • よくある失敗パターンと対処法
  • 1on1の目的は?

 

この章で私が一番印象に残ったのは、アドラー心理学が明らかにしている万人に共通する究極目標「社会への所属」です。

普段から所属を実感できることにより心理的安全性が高まり、さらに関係の質の向上へつながり、結果として部下の成長、会社の高業績へつながるという循環が生まれると説いています。

確かに、会社では結果を最重視しがちですが、所属という状態が良くなっていかない限りよい結果も生まれないよね、なるほどなと思わされました。

 

【第2章】1on 1導入の4つのステップ

第2章では、1on1導入の4つのステップについて解説しています。

1on1導入に際しては大きく分けて

  • 会社全体として公式に取り組んでいくのか?
  • それとも非公式に取り組んでいくのか?

といった2種類があることを述べた上で、公式に進めていく場合の4つのステップについて具体的な進め方を紹介しています。

また、非公式に進める場合(社内1on1)と公式に進める場合(プロジェクトとして)のステップと、どのくらい期間をかけるのかといった対応表も掲載されているので参考になりますね。

【第3章】導入に際してよく寄せられる疑問

第3章では、以下の4つの視点で38個の質問に対する回答が説明されている盛りだくさんな章です。

3つほど挙げると、

  • 話すテーマがないけどどうしたらよい?
  • 人事異動、退職時の対処法は?
  • どうしても嫌いな部下がいるときはどうしたらよい?

 

といったように、実際に1on1を取り組んでいく中で疑問点となりうる質問に対して著者が回答しています。

【第4章】必要な5つのスキル

この章では、実際に1on1を実施するために必要となる以下の5つのスキルについて書かれています。

  • 相手の話に共感して丁寧に聴くには?
  • 「自分には能力があり、周囲の人は仲間である」という感覚を根付かせるには?
  • 部下の思考を深めるためにはどのような質問がよい?
  • 適切なフィードバックのやり方は?
  • 相手に答えを教えるのではなく、失敗も含めた体験をさせるにはどうしたらよい?

といったことが網羅されています。

上記の必要な5つのスキルに対して、実際に使える具体的な事例が書かれているのがよかったですね。

 

例えば、質問の仕方では

この仕事をやってください

と言うのではなく、

この仕事をやってもらえますか?

と質問し、相手に選択肢を与えて自己決定権を委ねることで内発的動機が形成されるといった、具体的なやり方が随所に書かれています。

【第5章】あると便利な5つのメソッド

この章では、4章で学んだ5つのスキルを組み合わせた標準的な型を5つのメソッドとして紹介しています。

傾聴

本心を聴く、本心を確かめるためにカウンセリング主体の傾聴を行うことが大事と説いています。
さらに、傾聴の3条件を挙げてより具体的な傾聴の取り組み方に触れています。

 

経験学習サイクル

組織底上げを習慣化するための経験学習サイクルの具体的なメソッドについて解説しています。

          

本章を読むと、自分の職場の内容に置き換えてより具体的な経験サイクルの回し方を身に着けることができます。

例えば以下のような感じ。

課題の分離

対人関係を解決するための課題の分離についての具体的な対処法と、他のメソッドとの関係についても述べています。

例えば、部下が「あるチームメンバーが進捗報告を全然してくれない」ことに対して怒りを感じていた場合、「報告をしないことは誰の課題か?」という問いを立て、課題を分離していく。

「課題の所在がだれにあるのか?」を明確化することによって、対人関係の問題が整理されていくと説いています。

協力と目標の一致

本書では、1on1における主役は部下であり、信じて待つことが最も重要だと説いています。

一方、企業では課題を解決することが求められるため、この2つを並行して行うメソッドとして「協力と目標の一致」を行う方法を提唱しています。

具体的には「課題の分離 ⇒ 傾聴 ⇒ 目標の一致 ⇒ 協力 ⇒ 課題の解決」といった流れで、これまで出てきたメソッドと絡めた具体的な進め方が解説されています。

解決志向ブリーフセラピー

従来の心理療法のように問題や原因にフォーカスせず、未来の解決にアプローチしていく技法。

人間関係、モチベーションの悩み」といったものは様々な原因が複雑に絡み合っているので、その原因をいくら分析してもなかなか解決に至らない。

であれば、「考えられる策を片っ端から試して有効なものだけを継続するのが効果的だ

というのが著者がすすめる手法です。

そのうえで、解決志向ブリーフセラピーを行う上での考え方、特徴、注意点を具体的に解説しています。

 

【第6章】欠かせない5つのマインド

最終章では、前章までに説明してきた必要な5つのスキル便利な5つのメソッドを踏まえ、1on1を実践していく上で大切なマインド(考え方)について解説しています。

  • 相手を尊敬する
  • 信頼と信用の使い分け
  • 適切な距離感を保って協力する
  • お互いが納得して目標が一致していること
  • 共同的理解を持って他者を助け、協力する

上記のマインドを実践していくうえで、これまで出てきた必要な5つのスキル便利な5つのメソッドと絡めて重要なポイントを改めて読者に訴えかけます。

この章を読むことで、1on1を実践していく上で大切なポイントを改めて筆者が指摘してくれるので、全体のイメージを再確認することができますね。

全体の感想と特徴

本書の感想と特徴を3に分けて述べていきます。

①アドラー心理学をベースとした独自メソッドを展開

まず1つ目は、本作はアドラー心理学を熟知した著者ならではの1on1活用メソッドについて展開しています。

随所にアドラー心理学をベースとした手法が説明されているのですが、「なるほどな」と思わされる部分が随所にありました。

他の書籍にはない、著者独自の考え方をベースとした1on1活用メソッドが目を引きます

 

②具体例が豊富

2つ目は、「具体例が豊富」。

第3章では、様々な視点からの具体的な質問に対して著者が回答しているのですが、それ以外の章においても、随所に概要説明のあとに実際に使えるような具体例が記載されています。

なので、デスクに1冊置いておき、実際に業務で1on1を実践していく中でつまずいた時に、該当項目を開いて自分のケースに照らし合わせて具体的なアクションを整理するのにぴったりなイメージ

③ポイントが整理されたお手製の図解が豊富

本書では、各章で重要となる部分については手書きの図解ページが多数折り込まれています。

恐らく、著者が手書きした手作りの図だと思いますが、あとで振り返る際に図解部分を見るだけでポイントがわかるようになっています。

また、本書は重要な部分を繰り返し読者に指摘してくれるため、読み進めるにつれて本書の内容の理解が深まるように構成されている点が良いと感じました。

 

小倉 広、「任せるリーダーが実践している1on1の技術」、

気になる方はぜひ、お手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

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