
目次
- 1 user@sinyblog:~/article ❯ 01_tldr.md90 秒で全部わかる:2.1.142 のここがすごい
- 2 user@sinyblog:~/article ❯ 02_prerequisites.md前提:claude agents と「バックグラウンドセッション」って何?
- 3 user@sinyblog:~/article ❯ 03_new-flags-overview.mdメインアップデート:claude agents に 8 つの新フラグ
- 4 user@sinyblog:~/article ❯ 04_add-dir-settings.md--add-dir と --settings — 触らせる範囲と設定を限定する
- 5 user@sinyblog:~/article ❯ 05_permission-mode.md--permission-mode — 安全レベルを 5 段階から選ぶ
- 6 user@sinyblog:~/article ❯ 06_model-effort.md--model と --effort — モデルと考える深さを指定する
- 7 user@sinyblog:~/article ❯ 07_plugin-mcp.md--plugin-dir と --mcp-config — プラグインと MCP を切り替える
- 8 user@sinyblog:~/article ❯ 08_dangerously-skip.md--dangerously-skip-permissions — 自由と引き換えのリスク
- 9 user@sinyblog:~/article ❯ 09_fast-mode-opus47.mdFast mode が Opus 4.7 デフォルトに(料金注意)
- 10 user@sinyblog:~/article ❯ 10_plugin-improvements.mdプラグイン周りの小さな大改善(SKILL.md ルート配置 / LSP 表示)
- 11 user@sinyblog:~/article ❯ 11_ux-quality-of-life.md裏側の UX 改善(MCP 自動リトライ / iTerm2 / web-setup / Vertex AI X.509)
- 12 user@sinyblog:~/article ❯ 12_critical-bugfixes.md重大バグ修正集(macOS スリープ復帰 / MCP_TOOL_TIMEOUT / worktree ほか)
- 13 user@sinyblog:~/article ❯ 13_removed-and-upgrade.mdなくなった機能と、アップグレード方法
- 14 user@sinyblog:~/article ❯ 99_summary.mdまとめ:何が変わって、明日から何を試すか
本サイトは Google AdSense による広告が表示される場合があります。本記事は Claude Code v2.1.142(2026 年 5 月 14 日リリース)の公式 Changelog および公式ドキュメントを精読し、運営者(現役 IT エンジニア)が解説したものです。フラグ・コマンドの挙動は記事執筆時点(2026 年 5 月)のもの。最新仕様は 公式 Changelog でご確認ください。
Tech Notes · Claude Code · 2026.05
速報。Claude Code v2.1.142 が公開され、CLI に 24 個もの変更が入った。地味に見えて、これは 日々の開発フローが一段変わるアップデートだ。「Claude Code=設定がふわっとしていてエージェント管理が面倒」という前提は、今回で完全に崩れた。claude agents コマンドに 8 つの新フラグが追加され、プロジェクトごとに細部まで詰めて使える。Fast mode は Opus 4.7 がデフォルトに昇格。そして地味だが効くのが macOS スリープ復帰でセッションが切れていた問題の解消だ。本記事では 14 章で、なくなった機能はさらっと、新機能は丁寧に解説する。読了 12 分。
user@sinyblog:~/article ❯ 01_tldr.md90 秒で全部わかる:2.1.142 のここがすごい
細かい話は次章以降に回し、まず全体像だけ押さえる。Claude Code v2.1.142(2026 年 5 月 14 日リリース)の変更を「絶対に見ておいた方がいいもの」順に並べると、こうなる[1]。
claude agentsに 8 つの新フラグ — バックグラウンドセッションの起動時に、アクセスできるディレクトリ・権限モード・モデル・推論深さ・プラグイン・MCP 設定まで全部指定できるようになった。これが今回の主役。- Fast mode が Opus 4.7 をデフォルト化 — これまで Fast mode(速度優先モード)は Opus 4.6 で動いていたが、4.7 に格上げ。明示的に 4.6 に戻したい人向けの環境変数も用意された。
- macOS スリープ復帰でセッションが切れていた問題の解消 — 常駐デーモンが「経過した待機時間」と「時計が飛んだ」を区別できるようになり、寝かせた MacBook を開いたらバックグラウンドエージェントがロストしていた事故が消えた。
MCP_TOOL_TIMEOUTが HTTP/SSE で効かなかった問題の修正 — リモート MCP ツールの呼び出しが、設定値に関わらず 60 秒で切られていた長年のバグがようやく治った。- プラグインの構造を簡素化 — ルート直下に
SKILL.mdを置くだけで、それがスキルとして自動的に認識される。
「バックグラウンドで動かす Claude をどう躾けるか」。これまでは「黙って動いてくれる」けれど「どこまで触られるか分からない」存在だったエージェントを、起動時に細かく規約で縛れるようになった。エンタープライズ用途で本気で使い始めたい人ほど効く。
user@sinyblog:~/article ❯ 02_prerequisites.md前提:claude agents と「バックグラウンドセッション」って何?
新フラグの話に入る前に、用語を整理する。ここを押さえないと、なぜ --permission-mode や --add-dir が必要なのかピンとこない。
Claude Code とは(最低限)
Claude Code は、ターミナル上で動く Anthropic 公式の AI コーディングエージェント。claude と打つとセッションが立ち上がり、自然言語で「○○ を実装して」と話しかけると、コードを読み・書き・実行してくれる[2]。VS Code 拡張や JetBrains 拡張からも呼べる。
「フォアグラウンド」と「バックグラウンド」
セッションには 2 種類ある。
- フォアグラウンド — いつもの
claude。ターミナルに張り付いて対話する形。 - バックグラウンド — ターミナルを閉じても裏で走り続けるセッション。長時間タスク(マイグレーション、リファクタ、テスト追加など)を任せて、自分は別の作業に戻れる[3]。
claude agents = バックグラウンドの管制塔
claude agents はバックグラウンドセッションをひとつの画面で管理する「エージェントビュー」を開くコマンド。動いているもの、応答待ちのもの、終わったものが一覧で見える。新しいタスクをここから dispatch(投げ込み)することもできる。
# 1) エージェントビュー(管制塔)を開く
claude agents
# 2) ターミナルから直接バックグラウンドジョブを投げる
claude --bg "src/ 以下のテストを Pytest に書き直して"
# 3) 既に対話中のセッションを裏に回す
# (セッション内で)
/bg
v2.1.142 の主役は 1) の claude agents 起動時に渡せるフラグ群が一気に増えたこと。次章で 8 個まとめて見る。
user@sinyblog:~/article ❯ 03_new-flags-overview.mdメインアップデート:claude agents に 8 つの新フラグ
今回追加されたフラグは以下の 8 つ[1]。すべて claude agents から dispatch(投げ込み)するバックグラウンドセッションの挙動を、起動の瞬間に細かく決められる。
| フラグ | 役割 | 使いどころ |
|---|---|---|
--add-dir |
追加でアクセス許可するディレクトリ | カレント外のリソースも触らせたい時 |
--settings |
使う settings.json を指定 |
プロジェクト用と検証用を切り替えたい時 |
--mcp-config |
使う MCP 設定ファイルを指定 | 本番接続と検証接続を切り替えたい時 |
--plugin-dir |
読み込むプラグインフォルダ | 軽量プロファイルと全部入りを使い分ける時 |
--permission-mode |
権限モード(5 段階) | 慎重に動かしたい/自動で進めたい |
--model |
使うモデル | 軽い作業は Haiku、重い設計は Opus |
--effort |
推論の深さ(思考予算) | サクッと答えてほしい/じっくり考えてほしい |
--dangerously-skip-permissions |
権限プロンプトを全部スキップ | サンドボックス/CI などで自己責任で全自動 |
バックグラウンドセッションは、立ち上がったあとは基本的に放置される。途中で「やっぱりここまで触っていいよ」と権限を緩めたり、「やっぱり別モデルで」と切り替えたりするのは、対話セッションと比べて手間が大きい。dispatch する瞬間に契約を結ぶのが、今回のフラグ設計の思想だ。
次章から、特に押さえておきたいフラグを 2〜3 個ずつグループ化して見ていく。
user@sinyblog:~/article ❯ 04_add-dir-settings.md--add-dir と --settings — 触らせる範囲と設定を限定する
--add-dir:触らせるフォルダを「追加」する
Claude Code はデフォルトで、起動時のカレントディレクトリ配下しか触れない(読み・書き・実行とも)。これは「うっかり別プロジェクトを壊さない」ための重要な安全装置。
ところが現実には、カレント外のフォルダも見せたい場面がある。たとえば「~/.config/myapp/ の設定を読みつつ、~/projects/my-repo/ でコードを書いてほしい」など。これを 1 つだけ追加で許可する役割が --add-dir。
# カレント repo に加えて、共有ライブラリも参照させる
claude agents \
--add-dir ~/shared-libs/auth-utils \
--add-dir ~/shared-libs/logging \
--bg "auth-utils と logging を読み込んだ上で、ログイン処理にレート制限を追加"
--add-dir は複数回繰り返して書く。--add-dir a --add-dir b の形。1 つにまとめて空白区切りにすると、シェルに「2 つ目はコマンドの引数」と誤認される。
--settings:プロジェクト設定ファイルを切り替える
Claude Code は ~/.claude/settings.json やプロジェクトルートの .claude/settings.json を読んで、許可コマンドリスト・モデル選択・カスタム命令を決めている[4]。
--settings を使うと、起動の瞬間だけ 別の settings.json を当てられる。例:「普段はゆるい設定で動かしてるけど、本番デプロイ作業の時だけ厳しい設定で動かしたい」というケース。
claude agents \
--settings ~/.claude/profiles/production.json \
--bg "本番リリース用のチェンジログを作って"
user@sinyblog:~/article ❯ 05_permission-mode.md--permission-mode — 安全レベルを 5 段階から選ぶ
個人的には、今回のフラグの中で もっとも実用度が高いと思っているのがこれ。Claude Code は「どこまで自動で進めていいか」を 5 段階の権限モードで切り替えられる[5]。これまでフォアグラウンドでは Shift + Tab で切り替えていた設定が、ついに claude agents の dispatch 時にも指定できるようになった。
| モード名 | 挙動 | 向いている場面 |
|---|---|---|
default |
編集とコマンド実行は毎回確認 | はじめて/繊細なコード |
acceptEdits |
編集は自動承認、危険コマンドだけ確認 | 普段使い・素早く回したい時 |
plan |
読みと探索のみ。実装は一切しない | 調査・設計フェーズ |
dontAsk |
許可リストにあるものだけ通す | CI や制限付き自動化 |
bypassPermissions |
全プロンプトをスキップ(完全自動) | サンドボックス内での全自動運転 |
# 読みと探索だけ。コードは一切書き換えない安心設計
claude agents \
--permission-mode plan \
--bg "src/payments/ 配下を読んで、3DS 2.0 対応に必要な変更箇所を一覧化して"
bypassPermissions は要注意
このモードはあらゆる確認をスキップする。本番リポジトリで使うのは絶対に避ける。Dev Container や使い捨て VM のような、何が起きても被害が広がらない環境でのみ使うのが鉄則。
user@sinyblog:~/article ❯ 06_model-effort.md--model と --effort — モデルと考える深さを指定する
--model:用途に合わせてモデルを変える
Claude Code が使えるモデルは大きく 3 系統。
- Opus 4.7 — 最も賢いが最も高い。重い設計・難解なバグ・複雑なリファクタ向き
- Sonnet 4.6 — バランス型。標準的な実装作業の主力
- Haiku 4.5 — 高速・安価。フォーマット整形やコメント追加など軽い作業に最適
--model を使えば、バックグラウンドジョブごとにモデルを切り替えられる。「設計タスクは Opus、整形作業は Haiku」のような細かい使い分けがスクリプトから簡単にできるようになる。
--effort:推論の深さ=思考予算を指定
もう一つ重要なのが --effort。これはモデルの「考える深さ」を制御する設定で、出力するまでにどれくらい時間と推論トークンを使うかを変えられる。同じモデルでも、--effort high にすると複雑な問題により慎重に取り組む。
# 軽い整形:Haiku で最低限の推論
claude agents --model claude-haiku-4-5 --effort low \
--bg "コメントを全部 JSDoc 形式に整える"
# 設計タスク:Opus で深く考えさせる
claude agents --model claude-opus-4-7 --effort high \
--bg "決済モジュールを Strategy パターンで書き直す案を 3 つ出して比較して"
Opus は Haiku の数倍〜十数倍コストがかかる。「全部 Opus」だと一気に予算を食うので、タスクの重さでモデルを使い分ける運用が現実的。使用量制限を抑える節約テクニックも参考に。
user@sinyblog:~/article ❯ 07_plugin-mcp.md--plugin-dir と --mcp-config — プラグインと MCP を切り替える
--plugin-dir:使うプラグインフォルダを切り替える
Claude Code には「プラグイン」という仕組みがあり、自前のスキル・スラッシュコマンド・MCP サーバーをひとまとめにして配布・読み込みできる。普段はグローバルに置いた共通プラグインを読むことが多い。
--plugin-dir を使うと、そのバックグラウンドジョブだけ別フォルダから読み込ませることができる。たとえば「検証用に自作したプラグインを試したい時、本番用プラグインの邪魔をしたくない」というケース。
--mcp-config:MCP 設定ファイルを切り替える
MCP(Model Context Protocol)は、Claude を外部ツール(Slack・GitHub・Notion・Google Drive 等)と繋ぐ仕組み。普段は .mcp.json 1 本で済むが、「本番接続用」と「開発検証用」を切り替えたい場面がある。
claude agents \
--plugin-dir ~/dev/my-plugins-staging \
--mcp-config ~/.claude/mcp.dev.json \
--bg "新しい Slack 連携プラグインの動作を試したい"
--settings(Claude 全体の設定)/--plugin-dir(プラグイン群)/--mcp-config(外部ツール接続)の 3 つは、「環境プロファイルを切り替える」三点セットとして覚えると整理しやすい。production / staging / sandbox のように分けておけば、誤接続の事故が大きく減らせる。
user@sinyblog:~/article ❯ 08_dangerously-skip.md--dangerously-skip-permissions — 自由と引き換えのリスク
名前からして物々しいが、これは permission-mode の bypassPermissions を 明示的にフラグ名で渡せるようにしたもの。すべての確認プロンプトをスキップして、Claude に完全自動運転を許可する。
# GitHub Actions の中など、隔離環境でのみ
claude agents \
--dangerously-skip-permissions \
--bg "依存関係を全部更新してテストを通して PR を作って"
このフラグを 普段の開発マシンで使ってはいけない。rm -rf ~ を含むあらゆる破壊的コマンドも確認なしで通る。使うのは、Docker コンテナ・GitHub Actions・Dev Container・使い捨て VM など、壊れても被害がそこで止まる環境に限定する。
v2.1.142 では関連する地味なバグも修正されている:claude --bg --dangerously-skip-permissions で起動したジョブが、デーモン再起動(retire/wake)後にこの設定を覚えていなかった問題が解消した[1]。
user@sinyblog:~/article ❯ 09_fast-mode-opus47.mdFast mode が Opus 4.7 デフォルトに(料金注意)
Fast mode は「Opus を 2.5 倍速で動かす」高速モード。通常の Opus 4.7 と 同じ品質のまま、応答だけ速くなる(その代わりトークン単価が 6 倍)[6]。
これまで Fast mode のデフォルトモデルは Opus 4.6 だったが、v2.1.142 から Opus 4.7 がデフォルトに切り替わった。Claude Code 内で /fast を打つと、自動的に Opus 4.7 で動くようになる[1]。
料金感は要チェック
| モード | モデル | 入力(百万トークン) | 出力(百万トークン) |
|---|---|---|---|
| 通常 | Opus 4.7 | $5 | $25 |
| Fast mode | Opus 4.7 Fast | $30 | $150 |
明示的に 4.6 に戻したい時
「4.7 はまだ評価しきれてないから、当面は 4.6 で固定したい」という人向けに、環境変数で固定できる。
# macOS / Linux
export CLAUDE_CODE_OPUS_4_6_FAST_MODE_OVERRIDE=1
# Windows PowerShell
$env:CLAUDE_CODE_OPUS_4_6_FAST_MODE_OVERRIDE = "1"
「集中してインタラクティブに対話したい時」に有効。返答が速いとリズムが崩れない。逆に 長時間バックグラウンドで放置するタスクには Fast mode を使う意味はない(人間が画面前で待っていないので速度の恩恵がない)。コストは確実に増えるので、用途を選んで使う。
user@sinyblog:~/article ❯ 10_plugin-improvements.mdプラグイン周りの小さな大改善(SKILL.md ルート配置 / LSP 表示)
1) ルート直下の SKILL.md がスキルとして自動認識
これまで、プラグインをスキルとして配布したい時は、わざわざ skills/ サブディレクトリを掘って、その中に SKILL.md を置く必要があった。シンプルなプラグインに対しては過剰な構造で、地味に面倒だった。
v2.1.142 から、ルート直下に SKILL.md を置くだけでスキルとして認識される(skills/ サブディレクトリは不要)[1]。1 ファイル 1 スキルの簡素なプラグインを作るのが激的に楽になった。
my-plugin/
├── plugin.json
└── SKILL.md ← これだけで OK(以前は skills/SKILL.md 必須)
2) プラグインが提供する LSP サーバーが詳細表示に
/plugin の詳細ペイン、および claude plugin details コマンドで、そのプラグインが提供する LSP(Language Server Protocol)サーバーが一覧表示されるようになった。Claude Code に LSP を持ち込めるプラグインを使っている人は、「今どのプラグインがどの言語の LSP を提供しているか」がコマンド一発で見えるようになる。
3) 細かいプラグインバグも一気に修正
地味だが効くバグ修正もある。
skills: ["./"]を指定したプラグインで「path escapes plugin directory」と誤検知される誤エラーが解消- プラグインキャッシュの掃除が、メタ情報がない場合に 動作中のバージョンディレクトリまで消してしまっていた事故を修正
/pluginの閲覧ペインで、新着プラグインが常に「インストール 0」と表示されていた問題を修正- プラグインアドバイザリ(警告)で、
plugin.jsonの中でデフォルトフォルダ名を上書きしているキーが 全部列挙されない不具合を修正
user@sinyblog:~/article ❯ 11_ux-quality-of-life.md裏側の UX 改善(MCP 自動リトライ / iTerm2 / web-setup / Vertex AI X.509)
① MCP サーバーが起動エラーで一発切断 → 3 回までリトライ
これまで、MCP サーバーが起動時にネットワーク瞬断などで失敗すると、そのままセッション中ずっと「切断」状態になっていた。再接続には Claude Code 自体の再起動が必要だった。
v2.1.142 からは、一時的なエラーなら最大 3 回まで自動リトライする。これでローカルの Slack MCP・Notion MCP などが立ち上がりに失敗しても、勝手に復旧する。
② /terminal-setup が iTerm2 のクリップボード設定を有効化
iTerm2 ユーザー向けの地味だが効く改善。/terminal-setup を打つと、iTerm2 の「Applications in terminal may access clipboard」設定を自動で有効化してくれるようになった。これで /copy コマンドが tmux 内からも正しく動く。
③ /web-setup が GitHub App 連携の上書きを警告
Claude Code を GitHub と繋ぐ /web-setup。これまでは既に GitHub App 連携を済ませている人が再度実行すると、確認なしで上書きされていた。v2.1.142 からは 「既存の連携を置き換えますか?」と警告が出る。
④ Vertex AI が X.509 証明書ベース WIF(mTLS ADC)に対応
Google Vertex AI 経由で Claude Code を使うエンタープライズユーザー向け。これまで認証は gcloud ベースの ADC(Application Default Credentials)かサービスアカウントキーが中心だったが、X.509 証明書ベースの Workload Identity Federation(mTLS ADC)が公式にサポート対象として記載されるようになった[7]。
「サービスアカウントキーは管理が嫌だ/鍵レス認証にしたい」というセキュリティ要件の厳しい組織には、待望の選択肢が増えた形。仕組み自体に興味がある人は、Workload Identity Federation 鍵レス認証ガイド も合わせてどうぞ。
user@sinyblog:~/article ❯ 12_critical-bugfixes.md重大バグ修正集(macOS スリープ復帰 / MCP_TOOL_TIMEOUT / worktree ほか)
地味に見えて、運用していると効いてくる修正たち。
① macOS スリープ復帰でセッションが消えていた問題
これまで、Claude Code を常駐させた MacBook を蓋を閉じてスリープ → 翌朝開く、をやると、バックグラウンドセッションが消えていたり、デーモンの再接続に失敗したりすることがあった。
原因は 常駐デーモンが「時計が飛んだ」と「アイドル時間が経過した」を区別できなかったこと。スリープ中は時計が止まっているように見えるが、復帰した瞬間に時刻が一気に飛ぶ。これを「めちゃくちゃ長くアイドルだった」と誤解釈してセッションを片付けてしまっていた。
v2.1.142 では、clock jump(時刻の跳躍)を検出して経過時間とは別物として扱うように修正された[1]。これで「考える → 指示する → 寝かせる → 翌朝続きを見る」というワークフローが、止まらずに最後まで完結する。
② MCP_TOOL_TIMEOUT が HTTP/SSE で効かなかった
長時間かかる MCP ツール呼び出しのために MCP_TOOL_TIMEOUT を 5 分や 10 分に設定していても、リモート HTTP / SSE 接続だと 常に 60 秒で打ち切られていた。「設定したのに効かない」と長らくユーザーが嘆いていたバグが、ようやく治った[1]。
③ バックグラウンドセッションが git worktree を認識しなかった
すでに git worktree で作業ツリーが切られているフォルダで claude agents を立ち上げると、EnterWorktree(worktree を新規作成するアクション)が「既にある」と拒否し、その結果 Edit もブロックされる、というデッドロックがあった。v2.1.142 では既存 worktree を素直に再利用する。
④ brew upgrade 後にエージェントがクラッシュループ
Homebrew で Claude Code を更新すると、古いバイナリのパスがディレクトリから消えるが、常駐デーモンは古いパスを掴んだまま動こうとしてクラッシュ → 再起動 → クラッシュ、を繰り返す事故があった。v2.1.142 ではアップグレード時にデーモンが きれいに終了するようになった。
⑤ その他細かい修正
- Claude-in-Chrome 拡張をタブ共有なしで繋ぐとバックグラウンドエージェントがクラッシュループする問題を修正
- アタッチ中の
claude agentsセッションでリンクをクリックすると、ヘッドレスブラウザ shim が誤適用される問題を修正 - 「
vでエディタを開く」ショートカットが、シェルの$EDITOR/$VISUALではなくデーモンのデフォルトエディタを使っていた問題を修正 - Windows でネットワークドライブを作業ディレクトリにすると
claude agentsがデッドロックしていた問題を修正、起動中も Ctrl+C で抜けられるように - Apple Terminal など 256 色限定の端末で、
claude agentsセッションにアタッチした時の背景色のにじみを修正 - 最初のメッセージがリンクの時、セッションタイトルが URL から生成されていた問題を修正
- リモートクライアントからの冗長な
set_modelリクエストが、/modelブレッドクラムを重複でトランスクリプトに残していた問題を修正 - リアクティブ圧縮(reactive compaction)の改善:最初の要約試行が元のオーバーフローサイズから始まるようになり、コンテキスト満タン近くでの無駄なリトライが消えた
- フック設定エラー:
SessionStart/Setup/SubagentStartに prompt 型・agent 型フックを設定すると「command 型を使ってください」と明示エラーが出るようになった
user@sinyblog:~/article ❯ 13_removed-and-upgrade.mdなくなった機能と、アップグレード方法
なくなった機能(さらっと)
v2.1.142 で明確に削除されたのは、Usage Policy(利用ポリシー)違反時のエラー画面に出ていた「/model claude-sonnet-4-20250514 を使ってね」という古いモデルへの誘導メッセージ 1 件だけ[1]。古いモデル ID を案内するのが時代遅れだったので消えた、というだけの話。普段の開発で気にする必要はない。
アップグレード方法
# macOS(Homebrew)
brew upgrade claude
# npm でインストールしている場合
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@latest
# バージョン確認
claude --version
IDE 拡張からも Claude Code を呼んでいる人は、IDE 拡張側もアップデートする。拡張側が古いと、新フラグや /commands が登録されないことがある。
試すべき 3 つ
- まず
claude agents --helpを打って、新フラグが並んでいるか目視確認 claude agents --permission-mode plan --bg "..."で、調査タスクを安全に投げてみる/fastを打って、Opus 4.7 に切り替わるか確認(コストは増えるので一回だけ試す程度に)
user@sinyblog:~/article ❯ 99_summary.mdまとめ:何が変わって、明日から何を試すか
- 主役は
claude agentsの 8 つの新フラグ。バックグラウンドセッションを「dispatch する瞬間に契約を結ぶ」設計になり、本気で運用したい人ほど効く。 - Fast mode は Opus 4.7 がデフォルト。速度は嬉しいがコストは 6 倍。
/fastを常用すると請求書が驚くので、用途を選んで使う。 - macOS スリープ復帰問題が解消。寝かせた MacBook を翌朝開いたらエージェントが死んでいた事故は、今回で過去のものになった。
- プラグインはルート直下に
SKILL.md1 枚でいい。自作プラグインの最小構成がぐっとシンプルになった。 - バグ修正 18 件以上。worktree / brew アップグレード / MCP_TOOL_TIMEOUT / Windows ネットワークドライブ等、運用してると刺さる修正が多い。
「設定が難しそう」で Claude Code を本格運用するのをためらっていた人ほど、今回のアップデートは触る価値がある。「触らせる場所」「動かす権限」「使うモデル」「考える深さ」を 起動の瞬間に全部決められるようになったので、Slack の /bot や Discord のスラッシュコマンドを設計する感覚で、自分専用のエージェントテンプレを ~/.claude/profiles/ に並べておくと一気に運用が楽になる。